初心者から上級者向け:ジャズピアノの練習に効果的な練習法とテクニック

ジャズピアノ学習

イントロダクション

初心者の皆さんからすると理論?と聞くとを学ぶことが難しく感じられるかもしれませんが、最低限の知識と効果的な練習法とテクニックを身につけることで、楽しみながら上達することができます。この記事では、ジャズピアノ初心者向けに、基本的な理論、効果的な練習法を紹介します!

ジャズピアノの基本理論

ジャズピアノは、特別な音の組み合わせやリズムで、他のピアノ曲とは違った楽しさがあります。ジャズピアノを弾くためには、その基本を知ることが大事です。

ジャズの和音構造とスケールの紹介

まずは、ジャズの和音構造についてです。ジャズでは、通常の三和音に加えて、より複雑で豊かな和音が使用されます。それらの和音は、主に以下の4つに分類されます。

  1. メジャー7(M7)
  2. マイナー7(m7)
  3. ドミナント7(7)
  4. マイナー7フラット5(m7♭5)

それぞれの和音は、根音(1)、短三度(♭3)または長三度(3)、完全五度(5)、短七度(♭7)または長七度(7)の組み合わせで構成されています。

次に、ジャズのスケールについて解説しましょう。ジャズでは、様々なスケールが使用されますが、その中でも最も基本的なスケールは以下の5つです。

  1. イオニアン・モード(メジャースケール)
  2. ドリアン・モード(マイナースケール)
  3. ミクソリディアン・モード(ドミナントスケール)
  4. アエオリアン・モード(ナチュラル・マイナースケール)
  5. ロクリアン・モード

それぞれのスケールは、全音と半音の間隔が異なります。また、これらのスケールは、和音に対応するために使用されます。例えば、メジャー7和音にはイオニアン・モードが、マイナー7和音にはドリアン・モードが適しています。

さらに、ジャズではアルペジオ(和音を1つずつ演奏すること)も重要な役割を果たします。アルペジオは、即興演奏の際に和音に基づいたメロディを作るために使用されます。

では、実際にどのようにこれらの要素が組み合わされてジャズが演奏されるのでしょうか。ジャズでは、一般的にコード・プログレッション(和音の進行)が重要な役割を果たしています。コード・プログレッションは、曲の構造やハーモニーを決定し、演奏者に即興演奏の土台を提供します。ジャズにおいてよく使われるコード・プログレッションの例は、2-5-1(ii-V-I)です。これは、2度(マイナー7和音)、5度(ドミナント7和音)、1度(メジャー7和音)の順に進行する和音のパターンです。

それでは、これらの和音とスケールを使って、実際にどのように即興演奏が行われるのでしょうか。ジャズの即興演奏では、以下の手順で進行します。

  1. コード・プログレッションを確認し、それぞれの和音に対応するスケールを把握する。
  2. スケールに基づいたメロディーを作り出す。これには、アルペジオや音程の変化、リズムのバリエーションなどが含まれます。
  3. 演奏者同士のコミュニケーションを通じて、音楽の流れを感じ取り、ダイナミクスや表現を調整する。(インタラクション )

このように、ジャズでは和音構造とスケールが深く関連し、それらを用いて独自の表現と豊かな即興演奏が生み出されます。

ジャズ独特のリズムとタイム感に触れる

ジャズの楽しさの一つに、「リズム」と「タイム感」があります。リズムは、音の強弱や速さの変化で、曲にリズムがあると、聴いている人も足をたたいたり、身体を揺らしたくなりますね。
タイム感とは、音をどのタイミングで鳴らすかということです。ジャズでは、ちょっとズレたタイミングで音を鳴らすことがあります。これを「スウィング」といいます。スウィングは、ジャズ独特の楽しさを生み出しています。

効果的な練習法

リスニングとトランスクリプション(耳コピ )

ジャズの名曲やピアニストの演奏を聴く重要性

ジャズピアノを上手になりたいなら、たくさんのジャズの曲を聴くことが大切です。有名なジャズの曲や、すごいピアニストさんの演奏を聴くことで、ジャズの音楽の雰囲気や、どんなリズムで弾くといいかがわかります。それに、たくさん聴いているうちに、自分も弾いてみたい!という気持ちが高まりますね。

耳コピの方法とメリット

「トランスクリプション」というのは、ジャズの曲を聴いて、そのまま自分で弾いてみる練習のことで俗に言う「耳コピ」ですね。耳で聞いた音をそのままピアノで弾くのは、最初は難しいかもしれません。でも、この練習をすることで、どんな音がどんな指で弾けるかや、どのようにリズムを取ればいいかがわかってきます。
トランスクリプションの方法は、まず、好きなジャズの曲を選んで、何回も聴いてそのメロディーやリズムを覚えます。次に、ピアノの前に座って、耳で聞いた音をピアノで弾いてみます。最初はゆっくりでもいいので、徐々に音が合っているかどうか確認しながら、弾いてみましょう。
この練習を続けることで、ジャズの音楽がどんどん身について、自分でもジャズらしい曲が弾けるようになりますよ。

テクニックの習得

ヴォイシングの基本

ジャズピアノのヴォイシングは、和音を構成する音の配置や選択によって、独特の響きを生み出す技術です。この技術をマスターすることで、ジャズの独特な雰囲気や深みを表現することができます。

ジャズピアノの和音構成法の紹介

ジャズピアノでは、通常の和音に対して、さまざまな音を追加することで独特の響きを作り出します。以下に、その基本的な構成法をいくつか紹介します。

⑴セブンスコード

ジャズピアノでは、トライアド(三和音)よりもセブンスコード(四和音)がよく使われます。これは、根音、三度、五度、七度の4つの音で構成されます。例えば、Cmaj7(C-E-G-B)やDm7(D-F-A-C)などがあります。

⑵テンションの追加

セブンスコードに対して、さらに9度、11度、13度の音を加えることで、テンションを生み出し、より豊かな響きを作ります。例えば、Cmaj9(C-E-G-B-D)やDm11(D-F-A-C-G)などがあります。

⑶コードスケール

ジャズピアノでは、各コードに対応するスケールを使ってインプロビゼーションを行います。コードスケールを習得することで、コード進行に沿った自然なメロディーが作りやすくなります。例えば、Cmaj7に対してはイオニアン・モード(メジャースケール)、Dm7に対してはドリアン・モードなどが対応します。

⑷コードの置き換え

ジャズピアノでは、コード進行の中で、代理コード(サブスティテュート・コード)やトライトーン・サブスティテュートなどのコード置き換えを行うことで、より多様な響きを生み出します。これにより、予測しづらいコード進行や豊かなハーモニーが生まれます。

⑸コードヴォイシングの工夫

ジャズピアノでは、和音の構成音を異なるオクターブに配置することで、独特な響きを生み出します。例えば、ドロップ2ヴォイシングでは、和音の2番目に高い音を1オクターブ下げて演奏します。これにより、和音の密度が緩和され、より明瞭な響きが得られます。

⑹オープンヴォイシングとクローズドヴォイシング

オープンヴォイシングは、和音の構成音を広い範囲に配置することで、開放的な響きを生み出します。一方、クローズドヴォイシングは、和音の構成音を狭い範囲に配置することで、密集した響きを生み出します。これらを組み合わせることで、ハーモニーに変化と深みを与えることができます。

これらの和音構成法を練習し、実際の曲に取り入れることで、ジャズピアノの独特な響きと表現力を身につけていきます。数こなしていくことで自分なりのスタイルや感性が磨き上がります!

アルペジオとスケールの練習

ジャズピアノの演奏において、アルペジオとスケールは非常に重要な役割を果たします。これらの技術を習得することで、インプロビゼーションやコード進行に沿ったメロディーを自在に操ることができるようになります。

ジャズピアノにおけるアルペジオとスケールの役割

アルペジオは、和音の構成音を連続して演奏する技法で、コードの響きをより明確に聞かせることができます。インプロビゼーションにおいて、アルペジオを用いることで、コード進行に対応したメロディーが作りやすくなります。

一方、スケールは、音階を基にしたメロディーを作成する際の基本要素です。ジャズピアノでは、さまざまなモードや特殊なスケールが用いられ、それぞれ独特な響きや雰囲気を持ちます。スケールを用いたインプロビゼーションでは、メロディーに多様性や表現力を与えることができます。

  • 効果的な練習法とポイント

アルペジオとスケールの練習において、以下のポイントに注意して効果的に練習しましょう。

  1. まずは基本的なアルペジオとスケールを習得し、指の動きに慣れることが大切です。メジャー、マイナーのアルペジオとスケールをすべてのキー(12key)で練習しましょう
  2. ジャズピアノでは、さまざまなモードや特殊なスケールが用いられるため、それらも練習しておくことが重要です。例えば、メロディックマイナー、ハーモニックマイナー、ブルーススケール、ディミニッシュスケールなどをマスターしましょう。
  3. 練習を行う際には、メトロノームを使って正確なリズム感を身につけることが重要です。速度を徐々に上げていくことで、スピード感を養います。
  4. アルペジオとスケールを実際の曲やインプロビゼーションに取り入れることで、より実践的な練習ができます。バッキング・トラックやプレイアロングを使用して、コード進行に沿ったメロディーを作りながら、アルペジオとスケールを実際の演奏に活用しましょう。
  5. 練習の際には、アルペジオとスケールを様々なリズムやフレージングで演奏してみることで、表現力を高めることができます。また、音の強弱やアーティキュレーションにも注意を払いましょう。
  6. ジャズピアノのアルペジオとスケールの練習は、継続的に行うことが大切です。毎日の練習を通じて、指の動きやリズム感を徐々に向上させていきましょう。

ブルースやリズムチェンジの練習

ジャズにおけるブルースやリズムチェンジの重要性

ジャズピアノの練習において、ブルースやリズムチェンジは重要な要素です。これらの形式を理解し、練習に取り入れることで、ジャズの基本的なコード進行やフレーズに慣れることができます。

ジャズにおけるブルースやリズムチェンジの重要性

ブルースは、ジャズの基盤となる音楽形式であり、12小節からなるシンプルなコード進行が特徴です。ブルースを練習することで、ジャズの基本的なリズム感やフレージングを身につけることができます。

リズムチェンジは、AABA構成の32小節からなるジャズの典型的な曲形式で、A部分は主題が繰り返され、B部分はブリッジと呼ばれる異なる部分が登場します。リズムチェンジを練習することで、コード進行の変化や曲構成に慣れることができます。

練習に取り入れるべきスタンダード曲の紹介

以下に、ブルースやリズムチェンジの練習に適したジャズ・スタンダード曲をいくつか紹介します。

ブルース
  • “C-Jam Blues”(デューク・エリントン)
  • “Blue Monk”(セロニウス・モンク)
  • “Billie’s Bounce”(チャーリー・パーカー)
  • “Straight, No Chaser”(セロニウス・モンク)
リズムチェンジ
  • “I Got Rhythm”(ジョージ・ガーシュウィン)
  • “Oleo”(ソニー・ロリンズ)
  • “Anthropology”(チャーリー・パーカー)
  • “Moose the Mooche”(チャーリー・パーカー)

おすすめの楽譜

ジャズスタンダードのリードシートならこれ

メジャー・マイナーのスケールをすべてのキー(12key)で練習できる

これらのスタンダード曲を練習することで、ジャズの基本的なコード進行やフレーズに慣れるとともに、独自の解釈や表現を試みることができます。また、セッションでもこれらの曲はよく演奏されるので後々役に立ちます。

練習の際には、以下のポイントに注意して効果的に進めていきましょう。

  1. まずは楽譜(リードシート)を使って、曲のメロディーやコード進行を正確に理解しましょう。その後、徐々に楽譜から離れ、自分の耳と感覚を頼りに演奏できるようになりましょう。
  2. メトロノームを使用して、正確なリズム感を身につけることが重要です。さまざまなテンポで練習し、曲の雰囲気や表現を変えてみましょう。
  3. 曲に対する理解を深めるために、名演や同じ曲でも異なるアレンジを聴き比べてみましょう。これにより、自分なりの解釈やアイデアを生み出すことができます。
  4. インプロビゼーション(アドリブ)を練習する際には、スケールやアルペジオ、リズムパターンなどを使い、独自のフレーズを作っていきましょう!また、練習の中で、リズムの変化やアクセントを意識することも大切です。
  5. バッキング・トラックやプレイアロング(カラオケ)を利用して、実際のバンド演奏のような状況で練習を行いましょう。これにより、アンサンブル感やタイミングを養うことができます。

最後に

本記事では、ジャズピアノの練習における基礎知識と練習方法を取り上げました。まずは、和音の構成を理解するのことでヴォイシングの基本を習得することができます!次のステップはアルペジオやスケールを理解してアドリブの練習に取り組んでいきます。同時進行でブルースやリズムチェンジの練習を行い、ジャズの基本的なコード進行やフレーズに慣れていくことで、ジャズピアノの基礎が身につきセッションに参加できるレベルに到達します!

ジャズピアノの練習は、時には厳しいものかもしれませんが、コツコツと続けることで、確実に成果が現れます。そして、演奏の中で自分なりの表現や感性を発見したり、セッションを通じていかに楽しく感じられるポイントを見つけられるか、これは実際に積み重ねていくことで見えてきます。ジャズピアノの練習を通じて、みなさんが音楽の楽しさを感じられるよう心から願っています。


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